2026-08-21-Fri

メディア・芸術学科 「芸短パフォーマンスフェス2026」レポート

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演劇×声優×ダンス×舞台制作。 パフォーマンス系の学生たちがコラボレーション!

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2026年8月9日、メディア・芸術学科の舞台芸術コース(身体表現専攻・舞台制作専攻)、声優コース、ポピュラーダンスコースの合同公演となる「芸短パフォーマンスフェス!2026」が東リいたみホールで開催されました。

「えんとつ町のプペル」では 朗読とともにお芝居やダンスも披露。

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 「えんとつ町のプペル」(作・西野亮廣氏)は、映画化もされて大ヒットとなったベストセラー絵本が原作です。えんとつ掃除屋の少年ルビッチとゴミ人間プペルが心を通わせて、黒い煙に覆われた町から飛び出し、小さな頃からの夢だった「いつか星を見たい」という願いを叶える物語。今回は朗読と芝居、映像を一体化させ、声優コースらしさに視覚的な楽しさをプラスした、独自の舞台をつくり上げました。
絵本を朗読する者、実際に演じる者、それぞれがファンタジーの世界に入り込んで、心を込めてセリフを語り、歌を歌って、「信じぬくことの大切さ」という物語のメッセージを伝えます。

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プペル誕生に欠かせないハロウィンの夜の町のシーンでは、ポピュラーダンスコースの学生たちが登場し、ダンスパフォーマンスで舞台を彩りました。お祭りの楽しさの中に黒い煙に包まれた不穏さや暗さが感じられるミステリアスなダンス。ポピュラーダンスコース准教授の原田みのる先生の振り付けと指導のもと、学生自身が個々に自分の振り付けを任されたパートもありました。

 ふだんはマイクの前でセリフを語る声優コースの学生たちにとって、身体を使って演じながら声を出すのは、演技の幅を広げることにつながります。舞台では誰もが堂々と演じ、役になりきった声で客席に感動を届けていました。ダークな世界観を感じさせる舞台装置やえんとつ町らしい衣装も、物語をファンタジックに盛り上げました。

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人気アニメの生アフレコは 登場キャラになり切って熱演!

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2つ目の演目はアニメーション生アフレコによる「魔神英雄伝ワタル」。かつてテレビで放映されて人気を博したアニメーションで、小学生のワタルが神部界という異世界で、神々の山を支配する悪の帝王を討伐するため仲間とともに旅に出るストーリーです。今回は「第19話 龍神丸 とびますとびます!」を生アフレコで披露することになりました。

 アニメーションが始まる前には、声優コースのオリジナルアイドルが客席に登場。楽しいかけ合いで観客を惹きつけつつ、歌とダンスを織り交ぜたオープニングテーマで会場を盛り上げます。そしていよいよ生アフレコがスタート!

仲間に扮して合流してきた敵の策略によって、ピンチに陥るワタルたち。敵にだまされそうになったり、危機一髪のシーンがあったりとドキドキの展開ですが、笑いの要素もたっぷりある活劇とギャグが混在する愉快な作品です。

それだけに役を担う学生たちの声の力が試されます。ワタルの小学生らしい元気で正義感に満ちた声、7歳の女忍者ヒミコのかわいいけれど頼りになる声、武者シバラクのドスが効きつつもおとぼけ感のある声、鳥のクラマのずる賢い声。どれもキャラクターが立ち、若い学生が演じるにはなかなかの難役ばかりです。 学生たちはキャラクターの特徴をしっかり理解しつつ、万全に声をつくり込んで本番に臨みました。すばやい展開でありながらどの声もアニメ映像とシンクロし、マイクの前で表情豊かに力を込めたり、ボディアクションをしたり、生アフレコならではの迫力のあるステージで楽しませてくれました。

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「フローレンスの庭」では 葛藤や悩みを繊細なセリフで表現。

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ラストの演目は舞台芸術コース身体表現専攻による群像劇「フローレンスの庭」(作・高橋恵、演出・岩崎正裕)。看護専門学校で学ぶ学生たちの悩みや迷い、葛藤、そして希望を描いた物語です。
演出は本校の教授であり、劇作家、演出家、劇団の主宰として活躍する岩崎正裕先生。原作者である高橋恵氏の協力を得て、本公演のためにいくつか改訂を加え、看護学生たちの複雑な心情を通して生命を守る看護の尊さを真摯に表現しました。

小さな頃に別れた母が再婚してできた娘のミキと同級生となり、割り切れない思いを抱えるユウコ。ユウコに対して葛藤するミキ。2人の中を取り持とうと配慮する仲間たち。日々看護実習に向き合う学生たちは、中庭のベンチで看護の仕事や人生について語る中で、ひねくれたり、落ち込んだり、さまざまな感情が混ざり合います。
 そんな最中に強力な台風が到来し、どんなに過酷な状況であっても患者を気遣い手を差し伸べ、救うという経験を通じて、改めて命の大切さや看護の使命を実感します。

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会話中心の作劇で、学生たちはセリフの重みを感じながら役と向き合ってきました。「人を助けたい」という理想を追い求めながらも、日々立ち止まり、思い悩む看護学生を表現するには、役に対する深い理解力も求められます。どう演じたらいいのか、学生自身も迷い悩みながら日々の稽古に励んできました。

看護学生たちが一堂に集い、聖歌を歌う場面は清らかで看護の仕事が象徴的に表現されており観客の胸を打ちます。このシーンにはポピュラーダンスコースの学生たちも登場。優雅な中にも凛とした信念を感じさせるかのようなストイックな踊りも印象的で、看護学生たちの心象風景をダンスで表すスタイルが、舞台にドラマチックな深みを与えました。

 看護の道を進むことに決めた学生たち。看護学校の中で培った絆がこれからもきっと彼女たちの力になる、そんな未来を予測するようなエンディングでした。その結末は、役を演じた身体表現専攻の学生たちへのエールにもつながっており、客席からあたたかな拍手が送られました。

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美術、照明、音響も 独自の工夫で舞台の世界観を伝える。

この3つの演目を制作面で支えたのが舞台芸術コース舞台制作専攻の学生たちです。
美術、照明、音響のそれぞれのパートから、舞台づくりを担ってきました。

 限られた時間内で3つの舞台を仕立てるためには、できるだけシンプルで可動性の少ない舞台装置が必要です。そこで土台から製作するような大掛かりな大道具ではなく、三角の形状を利用した「えんとつ町のプペル」での船や、「フローレンスの庭」のアーチなど、抽象的な形で物語の世界観を表現するように工夫しました。

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 照明はシーンに応じてこまめに調光し、メリハリのある舞台に仕上げました。特に声優コースの作品は暗闇に包まれるシーンが多く、スポットライトのすばやい切り替えが物語に緊張感を与えます。「フローレンスの庭」では照明のカラーグラデーションによって繊細な心象風景を表現しました。

 そして音響は『イマーシブ・サウンド』を採用。音響がスピーカーの場所からだけでなく、上下左右の全方向から立体的に音を届ける音響技術のことです。この技術によって演者の動きに合わせて音声が移動し、観客にとっては演者の声がリアルに聞こえ、演者も違和感なく演技をすることができます。この新しい音響システムを導入することで舞台の臨場感がグッと高まりました。

舞台制作の学生たちも事前に台本をしっかり読み解き、それぞれの制作プランを綿密に立てて本番に臨みました。先生方はあくまでフォローに回り、学生主導型でプランを完成させるのが本専攻の方針です。今回の舞台はみんなで一丸となって作りあげたもの。その自覚と自信が大きな成長につながります。

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拍手が鳴り止まない。 心が高鳴る感動のフィナーレ!

拍手喝采の中で迎えたフィナーレでは、パフォーマンス系3コースの学生たちが一堂に舞台に集い、舞台裏で支えていた舞台制作専攻の学生たちも登壇して、総勢で客席に感謝を伝えました。
 誰もが本番を無事に終えた喜びでいっぱい。緊張の中でやり切った自信とホール公演ならではの高揚感に包まれて、どの顔も輝いていました。
 パフォーマンス系コースのコラボレーションは本校ならではのスペシャルな試みです。学生たちにとって忘れられない宝物のような経験になることでしょう。

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教員インタビュー

夏公演はさまざまなチャレンジをする公演です。パフォーマンス系コースが集うことで、芝居の中にダンスを組み込んだり、声優コースなのに芝居をしたり。そして学生たちも我々教員も、異なるコースが交わることで今までにない刺激や発見がありますね。
実を言うと私は「いろいろな経験をして失敗してほしい」とも思っているんですよ。大ホールでの公演は知らないことだらけです。舞台のサイズ感や動線、ライトの位置、緞帳の上げ下げなど、想定以外のことがいっぱいあるし、安全に対する気配りも想像以上に必要です。舞台上のルール、楽屋入りのマナー、すべて体験しないとわからない。失敗するのも当然です。だから失敗から学んでほしいんです。
学生たちは夏公演に向けて一生懸命頑張ってきました。その成果とともに、本物の舞台を体験することで舞台人としての基本を身につけてほしいと思っています。

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加納竜先生 /メディア・芸術学科 舞台芸術コース身体表現専攻 教授

*学生インタビュー

「えんとつ町のプペル」のルビッチ役を務めました。声優もお芝居も好きなので楽しく役に取り組むことができました。ただルビッチは10歳の子どもで、考え方も私とは違いすぎてそのギャップを埋めるのに苦心して、原作を読んだりアニメを見て動きや表情を研究しました。冒頭に「信じ抜くんだ!たとえ1人になっても」というセリフがありますが、私は今まで自信がなくてつい「ここまででいいや」と思うことが多かったんです。でもこのセリフを読んで、先生方は私を信じてこの役をくださったんだと思うと、「私も私を信じよう」と思うようになりました。この作品を通じて自分も成長できた気がします。

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八木 奏澄さん(声優コース2年生)

夏季公演の練習を始めた頃は、芝居の中にダンスシーンがあるのは唐突に感じて、物語の世界観が崩れたらどうしようという心配がありました。物語に溶け込むにはテクニックだけではなくマインドも大事だと思い、情感のこもった踊り方を心がけてみました。とても難しかったのですが、そのぶんだけおもしろい貴重な体験になりました。合同練習を重ねるうちに違和感なく踊れるようになり、うまくいったんじゃないかと思います。身体表現専攻や声優コースのみんなのレベルの高さにびっくりして刺激も受けました。振り付けを任されたパートもあり、気合の入ったダンスができて満足しています。

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荒木 麗智さん(ポピュラーダンスコース2年生)

私は看護学生のユウコを演じました。彼女は家庭環境が複雑で意地を張ったり、頑なになったりするタイプで、最初は自分とまったく違うタイプだと思っていましたが、舞台稽古しているうちに「そっくり!」と思うように。彼女を演じながら自分自身のことも深掘りしていたんだと気づきました。それからはセリフの語り口が変わりました。本番では一生懸命頑張ってきた成果を見てほしい気持ちとともに、この物語の「心に響く言葉」を持って帰っていただきたいという思いがありました。私たちが発するセリフが少しでも印象に残り、気に留めていただいていたらうれしいです。

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嵯峨山 莉音さん(舞台芸術コース身体表現専攻2年生)