2024-08-26-Mon
げいたんメディアセミナー 特別ワークショップ
- メディア・芸術学科
- 芸術イベント
8月4日(日)、大阪芸術大学短期大学部伊丹キャンパス(以下、伊丹キャンパス)でオープンキャンパスが開催され、さまざまな学科・コースで体験授業が実施されました。メディア・芸術学科 先端メディアコースでは、大阪芸術大学と大阪芸大短大部の在学生と卒業生のメンバーで結成されたバンド「Mini M!kke(ミニミッケ)」が登場。セミナーに参加した学生や高校生が撮影・進行を担当し、プロモーション映像を制作するというプログラムが行われました。
Mini M!kkeをゲストに迎えPRビデオ制作を体験
毎回、多くの来場者が訪れるオープンキャンパス。この日も受付会場であるC棟が早い時間からにぎわい、参加した高校生たちは各学科・コースで行われる体験授業へと向かっていきました。
舞台人や放送・広告などのメディア制作者の育成に取り組むメディア・芸術学科では、ゲストに大阪芸術大学と大阪芸大短大部の在学生と卒業生からなるバンド「Mini M!kke(ミニミッケ)」を迎え、テレビの音楽番組で見られるようなアーティストのPR動画の制作体験を実施。公開番組の進行についてもレクチャーが行われ、まずは講師である岡力先生が、「笑いを交えながら時事ネタも盛り込んで」など、客席を盛り上げる前説の方法を指導しました。
前説で場内の雰囲気が温まったところでMini M!kkeが登場。特任教授の石原卓先生からは結成2周年を迎えてますます精力的に活動を展開し、ライブ活動だけでなくMVやショート動画の制作に力を入れているといった近況が語られ、高校生たちから羨望の眼差しを集めていました。ここから動画制作が開始され、まずはMini M!kkeがいったん退場して会場入りのシーンを撮影することに。2台のスマートフォンを使って、会場外からのバックショットと場内でメンバーの正面を捉える受けに分かれての撮影が行われました。
続いてはメンバーの自己紹介と質問コーナーを撮影。質問コーナーでは、岡先生が「観察・洞察・推察」に重点を置いた質問の方法をレクチャー。ユーモアを交えることは良しとしながらもアーティストを不快にさせるような聞き方はご法度であることが注意点として述べられました。撮影と質問を担当した高校生からは、バンド名の由来やファッションのこだわりについての質問が寄せられました。
終盤はミュージックビデオの楽曲「愛色」への振りと視聴者へのメッセージを撮影。最後はMini M!kkeの魅力をさらに深く知ってもらうため、石原先生によるインタビューが行われました。楽曲の制作方法や機材へのこだわり、それぞれが目指すアーティストとしての目標などが語られ、参加者は飛躍が期待される5人の言葉に熱心に聞き入っていました。
学内バンドも出演する白熱のライブステージ
午後からは芸術ホールでポピュラー音楽コースとMini M!kkeが出演するライブ・イベントが開催され、まずは4組の学内バンドが演奏を披露。転換時には出演者から練習時に苦労したポイントやカバーした楽曲への思い入れなどが語られました。
トリを飾ったMini M!kkeは「愛色」やリズミカルな「Hot Step」など、ライブでもおなじみとなっているナンバー5曲を披露。卓越した演奏力と、コール&レスポンスもまじえた力強いステージングで客席を魅了しました。曲間のMCでは、ボーカル・本間詩乃さんとキーボード・大橋真成さんが母校である伊丹キャンパスで過ごした日々や、バンドが目指す未来への思いが熱く語られました。
セミナー参加者とMini M!kkeで完成作品を講評
ライブ終了後は学内のテレビスタジオに場所を移し、高校生たちが撮影した後、編集されたPR動画の講評が行われました。作品はテレビの音楽情報番組で見られるような告知動画として高いクオリティを見せ、セミナー参加者はもちろん、Mini M!kkeのメンバーもその出来栄えに驚きと喜びの表情を浮かべていました。
講評の終了後はセミナーに参加した高校生にMini M!kkeのボーカル・本間さんから受講証書が授与されました。高校生たちはセミナーの感想について、初めての体験に緊張しながらも興味をもって取り組めたこと、スマートフォン使っての動画制作に充実感を感じたことなどを語っていました。
映像表現が多様化する中、最先端かつ身近な機材を使ってクオリティの高い動画を撮影・編集できることを示した今回のメディアセミナー。今後もさまざまな形式での開催が予定されており、未来の映像クリエイターが生まれるきっかけとなることが期待されます。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
(インタビュー)
メディア・芸術学科 特任教授
石原 卓先生
今回のメディアセミナーは、普段から授業で行っている動画編集のカリキュラムをオープンキャンパスでも実施したいという思いから実現に至りました。時間の制限から参加者に携わってもらえる作業に限りはあったのですが、高校生の方々も自分から進んで作業に参加するなど、映像制作の楽しさを知るきっかけになったのではないかと思います。私は現在、伊丹キャンパスで特任教授としてメディア関連の授業を行っていますが、学生のみなさんが在学中の2年間の中で少しでも多くのことを学ぼうという姿勢にはいつも感嘆しています。高校生のみなさんも在学生たちのモチベーションの高さに触れて入学を考えるきっかけになれば嬉しく思います。セミナーのゲストとして出演してくれたMini M!kkeのメンバーも、かつて私の授業を受講していた学生だったのですが、バンド結成後の活動もずっと見てきたので、現在の成長ぶりは本当に頼もしく思います。音楽関係者の中でも彼らの名前を聞く機会が増えてきているので、ブレイクの兆しが見えてきたのではと期待しています。セミナー終了後のライブでは堂々としたパフォーマンスを見せてくれて、ポピュラー音楽コースの在学生にとっても良い刺激になったのではないかと思います。
メディア・芸術学科 講師
岡 力先生
映像機材は進化のスピードが著しく、10年前には数千万円したようなカメラの機能が現在ではスマートフォンに内蔵されています。こんな小さな機材で誰でもクオリティの高い映像が撮影できるようになり、私が身を置く放送業界をはじめ、映像の世界は今、大きな潮目を迎えているといえるでしょう。自宅からテレビ局のような発信ができるという昔では考えられなかったような状況に対し、私自身も驚きと同時に未開の地を開拓するような面白さを感じています。ただ、そのような状況にあっても私たちが長年培ってきた技術が生きる場面もあると思われ、それを授業や今回のようなセミナーで伝えることにより、若い世代がもっと自由に映像表現ができる可能性を生み出せるのではないかと思います。生まれたときからパソコンやスマートフォンがあるというZ世代の方々には、今後も見たことがないような斬新な表現を生み出してもらえたらと期待しています。メディア・芸術学科としては、それをサポートするために映像制作のメソッドやプロとしてのマインド、知識を教えつつ新しい技術も貪欲に取り込んで進化を続けていきたいと思っています。
Mini Mikke
私はボーカルを学びたいと思ってポピュラー音楽コースを選択したのですが、伊丹キャンパスにはボーカル専攻がなく、全員がなにかしら楽器を学ばなければいけないということでドラムを専攻しました。入学当初は楽譜も読めない初心者だったのですが、先生がつきっきりで教えてくださって発表の場にも恵まれ、濃厚な2年間を過ごすことができました。今回のメディアセミナーでは、動画撮影や音楽に興味を持った人たちが集まって、これから一緒に関西のカルチャーを盛り上げていく仲間に出会えたことを嬉しく思います。(ボーカル・本間詩乃)
僕はゴスペルなど教会音楽で初めて音楽に触れて、兄の影響でポップスにも興味を持つようになりピアノやキーボードの演奏を始めました。伊丹キャンパスではポピュラー音楽コースだけでなく他のコースや学科の人たちとも交流したことで自分の世界を広げることができました。卒業後は大学のピアノ専攻に編入して技術や理論について深く教えていただき、さらにスキルアップしたように感じます。伊丹キャンパスと大学の両方で学ぶことができたのは本当にかけがえのない経験です。今回のセミナーでは、卒業生である自分たちが音楽の世界で頑張っていることを知ってもらえたことが嬉しかったです。動画撮影は自分たちでも取り組んでいますが、番組制作のノウハウは知らなかったので、体験できて良かったです。(キーボード・大橋真成)
僕はアニメソングから音楽に興味を持ってベースを始めたのですが、大学のポピュラー音楽コースでさまざまなジャンルに触れたことで自分になかった引き出しを増やすことができました。Mini M!kkeでの活動を始めてからは作曲も担当するようになり、今、さらに深く広く音楽を学びたい気持ちが強くなっています。今後は高校生やベースに興味を持った人にコピーしてもらえるようなフレーズが作れるようなプレイヤーになりたいと思っています。(ベース・髙森洸成)
Mini M!kkeは、僕が演奏学科のコンサート・イベントで本間さんの歌を聴いて一緒にバンドがしたいと思い、大学に編入してきた大橋君から紹介してもらい、石野君、髙森君にも声をかけて結成に至りました。今後はライブをさらに活発に行いつつ、メジャーデビュー、もしくはそれに値するような活動の広がりを目指せたらと思っています。僕は現在、大学のポピュラー音楽コースの4年生として在学中で、卒業後はMini M!kkeはもちろん、さまざまなアーティストに提案ができるセッションミュージシャンとしても活動できればと思っています。(ドラム・鶴澤正真)
僕はパンクロックから音楽にのめりこむようになったのですが、やがてブルースに興味を持つようになって、高校時代はなかなか一緒に演奏できるような仲間に出会えませんでした。大学のポピュラー音楽コースに入ってからは同級生にも意気投合する人がいて、1日に何時間も一緒に演奏するような楽しい日々を過ごすことができました。Mini M!kkeはポップな楽曲が多いのですが、僕はその中でブルースやジャズの要素も打ち出し、攻めたサウンド作りに貢献できればと思っています。(ギター・石野拓斗)
-
メディア・芸術学科 映像コース 2年
辰己 舞桜さん私は将来、ドラマの制作に携わりたいと思っており、普段の授業ではカメラや照明などの技術を学んでいます。今回のセミナーで行われたような公開番組の収録は未体験だったのですが、もともと興味がある分野だったので、楽しみながら学ぶことができました。ゲストとして出演してくださったMini M!kkeのみなさんも1年生の頃から応援していたので、ご一緒できてとても嬉しかったです。私はもともとポピュラー音楽コースを志望していたのですが、自分の才能を鑑みてプロミュージシャンの道は厳しいと思い、もう一方で興味があった映像の道に進もうと決心しました。短大は2年間という短い在学期間ではありますが、メディア・芸術学科の中だけでもさまざまなコースがあり、自分が専攻している以外の分野についても学べて、濃密な学生生活を送ることができると思います。卒業後は4年制に編入する予定なのですが、短大での経験を活かしながら、さらに新たな知識を吸収したいと思っています。
-
メディア・芸術学科 ポピュラー音楽コース 2年
桑原沙奈さん私は高校時代から軽音楽部に所属してドラムを始めたのですが、本格的に学びたい気持ちが強くなり、ポピュラー音楽コースへの進学を決意しました。入学後はプロミュージシャンの先生から教えていただくことができ、これまで知らなかったジャンルの音楽も知ることができて、私自身、もっとスキルアップしたいという気持ちが強くなっています。ポピュラー音楽コースは自分が専攻した楽器以外でも興味があるものなら学ぶことができるし、舞台で発表できる機会もたくさんあります。好きな音楽を好きなだけ追求できるのが大きな魅力ですね。今回のセミナーでは普段の授業では学べないことを教えてもらい、大きな学びを得ることができました。今後、音楽活動をやっていくならミュージックビデオの制作は必須になるので、撮影や音響、進行など映像制作の技術を知ることで理想とする作品づくりにも生きてくるかと思います。将来は音楽関係の仕事に就きたいと思っており、同時に自分の創作やプレーヤーとしての活動も続けられたらと思っています。