2024-03-11-Mon

メディア・芸術学科舞台芸術コース卒業公演2024 レポート

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演者と制作者が心を合わせ、観客を感動の渦に!

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2024年3月3日(日)、舞台芸術コースの卒業公演が伊丹市のアイホール(伊丹市立演劇ホール)で開催されました。第16回を迎える今回の演目は「Meteor shower〜流星群〜」。現代から見知らぬ国にタイムスリップした学生たちが、陰謀や政争に巻き込まれるという波乱万丈の物語です。身体表現専攻の学生たちの演技と舞台制作専攻の学生たちの技術の、これまでの学びの集大成にふさわしい力の入った感動的な舞台となりました。

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現代と架空の時代が交差するファンタジー活劇

「Meteor shower〜流星群〜」は企画・監修を加納竜先生、脚本・演出も本学教員が手がけたオリジナル作品。2幕12場の構成で、大学のミステリー倶楽部の部室からストーリーが始まります。部室の壁に飾った絵画の裏は実は「流星国」へワープする回路で、3名の部員が流星国へ紛れ込んでしまいます。その流星国では将軍の兄の死をめぐり、さまざまな陰謀や裏切り、権力抗争が繰り広げられ、将軍と女性戦士の恋も絡んで国の存続を揺るがす事態に!そんな過酷な状況の中で学生たちの運命は⁉︎そして流星国の行く末は⁉︎・・・ドラマティックでミステリアスで先が読めない展開に、観客はハラハラドキドキ。現代と架空の時代が交差する不思議な世界観に引き込まれます。

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1人2役3役で見どころのある早変わり。

演じる学生たちは「現代」と「流星国」の2つの時空間を行き来して、1人で2役3役を兼ねる難しさにも果敢に挑みました。今どきの現代っ子を演じた学生が流星国の場面ではクールな戦士に扮するなど、切り替えのすばらしさはこの作品の見どころの一つです。衣装やヘアメイクの早替え、キャラクターの使い分けなどの難題を乗り越え、見事に演じ切りました。

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殺陣は息ぴったり。さらに歌やダンスシーンも。

歌舞伎にも精通し、数々の時代劇を演出されてきた教員指導のもと、見事な殺陣を披露しました。スピーディーな立ち回り、息の合ったアクションシーン、勝利した時のポーズもピタリと決まって観客を魅了しました。 さらに劇中歌としてラップを取り入れたアップテンポのオリジナル曲を披露。リズミカルな歌声にダンスも相まってミュージカル的な要素も楽しめました。

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照明・音響・美術にも創意工夫がいっぱい。

そして照明・音響・美術を担当した舞台制作専攻の学生たちも、絶妙なコンビネーションで作品のクオリティを高めました。スピーディーな作業で大道具小道具を自在に操り、戦いの場面は気迫を感じさせ、恋を語るシーンではロマンティックな雰囲気を漂わせ、効果音の使い方で物語を盛り上げていきます。舞台監督の竹内一秀先生、井之上淳先生の指揮のもと、照明・音響・美術のプロである先生方と学生たちがシーンごとにアイデアを出し合ってつくりあげた舞台です。ホールで実際の機材を使うのは、リハーサルと本番の2回のみ。それまでは本番をイメージしながら、学内のスタジオで腕を磨きました。緊張感も尋常ではありませんでしたが、1人ひとりが集中して作業に取り組み、ストーリーを盛り上げていきました。

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演技力が試される物語のクライマックス。

すべての謎が解けて、ロマンスの結末が気になるクライマックスシーン。トリッキーで仕掛けのあるストーリーは最後まで目が離せません。登場人物の心の機微を表現する繊細な演技が要求されるシーンが多いなか、学生たちは役に没頭し、観客をクギヅケにしました。衝撃の事実があらわになり、悲劇的な結末を予感させた後、一転最後は思わず微笑むエンディングを迎えました。

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やり切った興奮が冷めないカーテンコール

テーマソングを歌いながら、万雷の拍手の中で舞台あいさつに現れた舞台芸術コースの学生たち。その顔は晴れやかで、仲間と1つになって舞台をつくりあげた自信に満ちあふれていました。まさに2年間の努力と研鑽を凝縮した心に響く卒業公演でした。

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指導教員からひとこと

メディア・芸術学科 舞台芸術コース・身体表現専攻 加納竜教授

時空をワープするような不思議な演劇空間。みんな2.5次元のキャラクターのような扮装で、観客をファンタジーの世界に誘いました。1人が何役もこなす中で、1人ひとりの個性が引き出された舞台でした。卒業公演は2年間の集大成ですが、これからが学生たちにとって人生の本番です。「個」が尊重される今の時代にも、みんなが協調する「和」の概念も大切。目標に向かって集団でつくり上げた経験は社会のさまざまな場面で生きるはずです。この卒業公演を起点として、演劇に限らずいろんなジャンルで活躍してくれることを期待しています。

メディア・芸術学科 舞台芸術コース・舞台制作専攻 竹内一秀客員教授

先生方、学生の皆さんがつくりあげた物語の世界観をどう表現するか。音響・照明・美術の担当の先生方とともに学生自身もアイデアを出し合い、イメージを膨らませて、舞台作りをしていきました。私のモットーは「演者はすごく緊張するから、裏方は平然としていなさい」ということ。本心は違っても顔だけはいつも通りで・・・これが演者との信頼に繋がるんですね。そして幕が下りれば終わりではありません。最後にすべて片付けて学校に戻るまでが大事。技術だけでなく、制作者の心構えも学んだ2年間。学生たちの成長を卒業公演で実感しました。

学生さんの感想

私が演じる星夜は、流星国の皇太子妃でミステリーの鍵を握る役です。凛として心やさしく、武術の心得もある芯のある強い女性なんです。ふだんの私とは違うキャラクターなので最初はすごくプレッシャーを感じました。高貴な位の役なので姿勢を正すことから意識し、セリフの言い回しも相手役とのバランスを考えて複数案考えて稽古に臨みました。お芝居に集中し、良い仲間と出会えた2年間はとても濃厚な時間で、卒業公演を終えて「もっとやりたい」という思いもあります。何かの形で今後も演劇には関わっていきたいです。

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メディア・芸術学科 舞台芸術コース・身体表現専攻 北川佑香さん/星夜役

音響チームの中で、私の担当は演者さんが付けているワイヤレスマイクの音量を調節する役目。台本を読み込み、歌う場面では劇場内にいい感じで響くように、クライマックスのシーンでは盛り上がるように、場面ごとにふさわしい音づくりを心がけました。音響担当のおもしろさは音ひとつで場面に表情が出るところ。こんなに大きな会場で機材を扱うのは初めてで不安もありましたが、時間をかけて練習したことで自信を持って本番に臨めました。卒業後は音響システムをつくる会社に就職が決まり、これからも音の世界で頑張ります。

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メディア・芸術学科 舞台芸術コース・舞台制作専攻 江藤剛琉さん/音響担当