2020-09-15-Tue

げいたんグラフィックデザイン展 WOW WOW WOW

 
  • デザイン美術学科
  • 芸術イベント

デザイン美術学科学外展
「げいたんグラフィックデザイン展 WOW WOW WOW」

宝塚市立文化芸術センターでの産学連携プロジェクト

2020年9月10日から15日の6日間、宝塚市立文化芸術センターにおいてデザイン美術学科グラフィック専攻の学生による学外展示「げいたんグラフィックデザイン展WOW WOW WOW」を開催しました。「花と芸術」をテーマに、宝塚駅から宝塚市立文化芸術センターへと続く「花のみち」にかけることを想定したバナーやミュージアムグッズを制作。多彩なビジュアル、多彩なアイデアの30名の作品が会場を彩りました。宝塚市立文化芸術センターは、誰もが気軽に訪れ、集い、芸術と触れ合える施設として今年の6月にオープン。開催中は幅広い層の来館者が訪れ、学生たちの作品を広く一般の方々にも観賞していただける絶好の機会となりました。会場はなごやかな雰囲気に満ち、来館者からさまざまな反響を寄せられて、グラフィックデザインの「リアルな学び」を体験できました。

宝塚市立文化芸術センターのロゴマークは、宝塚市に縁の深いグラフィックデザイナーとして国内外で活躍し、本学のデザイン美術学科・学科長を務める松井桂三教授が制作しました。豊かな自然環境と人々の笑顔を花や緑で表現し、文化や芸術を発信する宝塚市立文化芸術センターの魅力を伝えています。
施設の外観で、圧倒的な存在感を放つ実物大のバナー。6月に宝塚市立文化芸術センターを訪れた学生たちが「花のみち」を歩き、館内を見学してイメージをふくらませ、「花と芸術」のテーマに合わせてデザインしました。バラエティ豊かな作品に、それぞれの個性があふれています。
エントランス近くの1階キューブホールにバナーが掲示され、サブギャラリーにはミュージアムグッズが展示されました。作品のディスプレイも学生たちのセンスの見せどころ。真っ白な展示台や壁面がカラフルな作品を引き立てます。
ミュージアムグッズの共通課題は「Tシャツ」「ワインのラベル」「ふろしき」「スマホケース」の4点。自由課題として好きなオリジナルグッズを制作しました。ペーパーバッグや扇子、傘など、学生たちが工夫を凝らした作品が登場して、見学する方々を楽しませていました。
オリジナル作品として花の香りのフレーバーティーを創作。シンプルなデザインにグラフィカルな花が引き立ちます。ティーポットのケースも可愛く、手元においておきたい気分になります。
  • 赤と黒のドットを基調にした作品。共通課題のほかに、ソックスを出展しました。壁面を使ったディスプレイも目を惹きます。「花と芸術」のテーマを広く解釈し、独創的な作品に仕上がっています。
  • 花から連想される色の絵の具のセットです。「かすみ草の吐息」「すずらんの真珠」など1つ1つのネーミングにも詩的な情感が漂います。ビジュアル以外にもいろんな工夫を盛り込んでいます。
1階キューブホールでは9月12日(土)13日(日)の2日間、「げいたんアートマーケット」が併催されました。学生や教員たちの作品を販売したほか、来館者が参加する缶バッジ制作のワークショップや似顔絵サービスを展開しました。
学生が1枚1枚手描きしたポストカードや話題のアマビエのグッズ、自分でデザインしたTシャツやジーンズ、アクセサリーなどを販売。来館者との会話や作品の売れ行きなどから、買い手のニーズを肌で感じ、新しい発見があると言います。参加した学生たちは一様に、学校の授業だけでは得られない新鮮な体験を楽しんでいました。
  • 来館者に好きな絵を描いてもらって缶バッジを作るワークショップ。ファミリーで訪れる方も多く、子どもたちも大喜びで参加していました。世界に1つの缶バッチを作ることで、絵を描く楽しみを感じてもらえたようです。
  • 似顔絵サービスも実施。来館者に喜んでいただけるだけでなく、さまざまな人の顔を描くのは自身にも有意義な経験です。
コロナウイルス感染対策に十分に配慮しつつ開催された「げいたんグラフィックデザイン展WOW WOW WOW」。2年生の前期授業の集大成として、コロナ禍の状況にも関わらず、学生一人ひとりが真摯に課題に取り組みました。この取り組みは産学連携プロジェクトとして宝塚市立文化芸術センターに共催していただき、一般の方が数多く訪れる公共の場での開催となりました。関係者の方々、そして来館者から想像以上の反響を得て、成果をあげることができました。

松井学科長からの一言

宝塚市立文化芸術センターというすばらしい会場で開催されたことは、学生たちにとって貴重な体験であり、大きな刺激になりました。「幅広い年代の方々に作品を鑑賞していただく」という機会はめったになく、学生たちには「来館者の視点」を意識して作品に取り組むように指導しました。会場では学生たちのグラフィックパワーが一丸となり、来館者の方々に楽しんでいただけたと思います。センターだけでなく宝塚市からも良い評価をいただき、「地域に貢献できた」という手応えを感じました。意義ある6日間でした。今後も機会があれば、地域活性化につながる学外イベントを開催していきたいですね。

学生インタビュー

子どもの心を惹き付けるいろんなアイデアを盛り込みました。

デザイン美術学科 グラフィックデザイン専攻 前田香純さん

初めての学外イベント、しかもオープンしたばかりの話題の施設でうれしさも格別です。子どもが多く来館すると聞き、子どもをターゲットにした作品にすることに。カラフルで親しみやすいデザインがいいなと、マーガレットの花の中に目を入れて生き物のように表現しました。そして私がオリジナルで考えたのが「色かるた」。色や文字の組み合わせをいろいろ楽しめる、いわば知育玩具のようなものです。ここを訪れた子どもが興味をもっておみやげに選んでくれたらうれしいな、そんな気持ちで制作しました。もともと子どもが好きなので、自分の好きな世界をとことん追求できてとても満足しています。

美しいモルフォ蝶をモチーフに展開。見る人が幸せを感じるデザインをめざしたい。

デザイン美術学科 グラフィックデザイン専攻広田愛結さん

世界一美しいモルフォ蝶をモチーフに展開しました。蝶のラフを描いていた時に先生が「左右の羽のどちらかをリアルなデザインにしてみたら」とアドバイスをくださって、作品のオリジナリティがグッと高まった感じです。ミュージアムグッズには入浴剤とソックスも考えてみました。暮らしに身近なものなら、日常のシーンでこの施設を思い出してもらえます。ソックスはモルフォ蝶の作品にちなんで左右別々のデザインです。私がデザインしたもので、一瞬でも「楽しいな」「心地いいな」と感じてもらえたらすごく幸せ。来館される方々に、とても良い刺激をいただいて有意義な6日間でした。