2020-02-16-Sun

ポピュラーダンスコース卒業公演2020

 
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2年間の集大成を圧巻のパフォーマンスで披露

2020年3月に卒業を迎える2回生の卒業公演が、尼崎市のあましんアルカイックホール・オクトにて開催されました。迫力満点の音響や照明など演出効果も本格的な舞台で、2年間の集大成とも言える圧倒的なパフォーマンスを発揮する2回生6名と、それを全力でサポートする1回生6名が約1時間のステージを披露しました。

第一部はモノから発想するアイデアを表現

今公演のテーマは「ROOTS」。第一部は傘や帽子、ポイボールなど、モノからインスパイアされたアイデアをカタチにした独創性の高いステージ。大きく4つのフェーズに分かれた構成で、まず第一幕は、自我が発生する前の同一化を同じ服装、同じ傘によって表現。ビートのきいた音楽と暗めの照明にスポットを効果的に使った演出もあいまって、ワクワクさせるオープンニングとなりました。

第二幕は2回生が演じる同じ服装のグループに、1回生によるカラフルなグループが乱入します。思い思いの服装で楽しむカラフルなグループの様子に強く心を惹かれる一人の青年…。同一化の枠から外れる怖さや迷いを克服し、自らの個性に目覚めていく様を躍動的なダンスで表現します。

同じ服装グループの他のメンバーも一人、また一人と次第に同一化の殻を脱ぎ捨てていきます。そのメタファーが赤、黄、青などカラフルなジャケット。それぞれの色のジャケットを羽織り、アグレッシブなダンスを展開。ランウェイも使った全員によるパフォーマンスは、中盤のクライマックスとも言える見応えがあるステージングでした。

硬質なテクノ音楽と仮面を被った黒ずくめの衣装と、ダークなイメージに一転して始まった第三幕。周囲に合わせた役割を演じてしまう心の仮面=ペルソナをモチーフに、仮面をつけることの安心感と息苦しさの間で葛藤する感情の揺れを激しいダンスで表現します。

第三幕の後半はペルソナからの解放をサークルバトルを模したソロダンスや息のあったコンビネーションなど、一気呵成の多彩なパフォーマンスで表現し、観客を魅了します。帽子やポイボールなど、難易度の高い手具を自在に操るステージに努力の成果がうかがえます。

第四幕は仲間との絆や優しさに気づき、本来の自分=個性を自然体で開放していく変化をエモーショナルなダンスにのせていきます。キレのある激しいダンスから優雅な動きのバレエまで、抽象的で難しいテーマを豊かな表現力で演じきった12名のダンサー。一瞬も目が離せない見事なステージに、惜しみない拍手がおくられました。

第二部は学生たちが自ら振り付けも考えたショータイム

第二部は学生たちが自ら振り付けも考えたショータイム。まずは2回生の振付、出演の「Cherry Camo」です。

1970年代の歌謡曲に合わせたコミカルな表現から始まり、最新のダンスチャートにのせたソリッドなダンスを次々と披露。それぞれの個性をフルに発揮した貫禄のステージングに会場全体が盛り上がります。

続いては、これまでサポート役に徹してきた1回生の振付、出演による「6shots」。エネルギッシュなダンスは1回生ならでは。ビートの効いたサウンドにのせて、小気味良いパフォーマンスを披露します。

ショータイムのラストを飾るのは、河邊こずえ先生が振付を担当された「さくら」です。これは、それぞれの長所を引き出す構成に仕立てた2回生のメモリアル作品。「芸術としての舞踏」を目指し、踊りで言葉を創る難しいパフォーマンスに果敢に挑戦したステージ。入学後、イチからクラシックバレエのレッスンを始めた2回生の驚くばかりの成長が心を打ちました。

最後は卒業公演を見事に演じきった学生たちがリラックスした表情で登場するフィナーレ。2人1組のユニークなパフォーマンスも飛び出し、会場はなごやかな雰囲気に包まれました。卒業生の思いが語られる2回生代表の挨拶では感動的なシーンもあり、笑いあり、涙ありのエキサイティングな卒業公演は幕を閉じました。