2022-02-26-Sat
舞台芸術コース卒業公演2022
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大阪芸術大学短期大学部、
舞台芸術コースによる卒業公演が2022年2月26日(土)に行われました。
会場は音楽や演劇、舞踊、講演などでも利用されていて、
480もの座席数を誇る「川西市みつなかホール」。
大阪芸短は校内でも設備が整っているので、
練習を重ねてきた学生たちにとってふさわしい舞台です。
公演タイトルは「王の逆襲」。壮大なスケールと、スリリングな展開を予感させるタイトルですが、果たしてどんなお話なのでしょうか。
詳しい内容をレポートしていきましょう。
第一線で活躍する先生たちによる企画・演出
作品の企画と監修をしたのは、数々のテレビドラマや映画、舞台などに出演し、舞台芸術コ
ースを代表する講師・加納竜先生。
脚本と演出は、女歌舞伎「劇団 尚」を旗揚げし、今もなお創作活動に励んでいるさとうし
ょう先生が担当します。
さらに、舞台制作は竹内先生が手掛けており、シェイクスピア作品を中心に数々の演劇の照
明デザイン、舞台監督、美術デザインなども行っているまさにスペシャリストです。
このように第一線で活躍している講師陣の指導を受け、プロが手掛ける舞台に立てるのは
まさに大阪芸短ならではの魅力といえるでしょう。
豪
一方、メイクや音響などの一部は学生自身が担当。 表舞台だけでなく、裏方の作業も学ぶことで、 学生たちが一致団結して一つの作品を作り上げることができます。
「王の逆襲」は、封建時代の架空の国「美国」を舞台に、 王座を狙うさまざまな人物の思惑が渦巻く中で、 何とか愛を貫こうとする一組の男女、玲央と沙耶の姿を描いた壮大な大河ドラマ。 敵側の目をあざむくため、物語の途中で獄中死を装い、 別人となり現れる主人公の玲央をはじめ、難しい役どころばかりです。 しかし、演技の基礎をしっかりと身に付けた学生たちの演技は堂々としたもので、 見る者を圧倒し、物語の世界に引き込みます。
学生たちも気合十分。本格的な殺陣シーン
最大の見せ場は何と言っても、学生たちが「やりたかった」と
望んでいたという終盤にある殺陣シーンです。
主人公とその仲間たちが敵役を罠にかけ、そこから決闘が始まります。
実際の現場で殺陣の経験がある先生が演出しているだけあって、本格的。
一つひとつのアクションに感情がこもっているので、緊張感もあり引き付けられます。
一人ひとりにしっかりと見せ場があります
演技力が発揮された切ないラスト。締めくくりには歌唱シーンも
さて、物語もいよいよ終わりです。
敵との戦いを終えた玲央ですが、争いはまだまだ続いており、
再び戦地へ向かうことに。恋人の沙耶に思いを告げ「必ず帰る」と約束するも、
命を落としてしまいます。
訃報を聞き悲しみにくれる沙耶の元に、ここにいるはずのない玲央は現れ、会話をします。
互いを思う気持ちが声の抑揚や細かな仕草で表現されており、とても感動的。
激しい殺陣と異なるトーンで、学生たちの演技の幅の広さがうかがえます。
最後は、登場人物が玲央をしのんで歌い、踊りを披露。
アクションからドラマ、そして歌と踊りまであり、2年間の学びが集約された舞台でした。
卒業公演という大きな舞台でメインの役をいただき光栄でした。 今回は男役だったので、過去に授業で学んだ「格好良く見える仕草」も取り入れました。 玲央は、真面目で芯が強い一方で、好きな沙耶の前では少し臆病になるという二面性のある役なので、それを表現できるよう意識しました。 中盤にある大立ち回りは、みんなで教え合いクオリティを高めていった思い入れのあるシーン。もちろん、そのほかのシーンも「今まで学んだことを全部出す」と意気込んで取り組 みました。
主人公・玲央役 池田真依
ずっと殺陣をしたかったので、今回は強いヒロインを演じられて、 うれしかったです。 一方でストーリー面では、 私の悲しみの演技が重要になるのでとても緊張しました。 私たちは先生から「舞台の上でお客さんの前に立つことはどういうことか」を 教えられているので、セリフのない場面でも、登場人物になりきり、 立ち方や仕草で細かな表現をしています。もちろん、 衣装や音響や照明も見どころ。本番前のリハーサルでは、 学校での練習と違う迫力を感じました。 仲間たちと一緒に悔いのないようやり遂げられたと思っています。
ヒロイン・沙耶役 穴見ひなた