2021-02-06-Sat
卒業制作2021
- デザイン美術学科
- 芸術イベント
会場では感染症対策も徹底。スタッフと来場者が安心できる環境で、 学生たちの熱い思いが表現された作品を鑑賞できました。
卒業制作2021のポイント
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2021年は新型コロナウイルスの影響もあり「新しい生活様式」が浸透するなど、 社会が大きく変化しました。それでも、展示された作品には、一人ひとりが制作に しっかり向き合って、改めて気付いた思いや感情が表現されています。 作品に添えられたコメントからも、こだわりの強さや、熱い思いが伝わりました。
こうしたクオリティの高い作品が数多くあるのは、
やはり「質の高い学び」と「創作に向き合える環境」があるためだと感じます。
大阪芸短では、芸術やメディアなど各分野の第一線で
活躍するプロたちが教授や講師として学生を指導します。
現役のアーティストや一流の俳優、建築家など幅広いジャンルの
専門家からアドバイスをもらい成長することで、技術だけではなく、
作品を生み出すための精神や考え方も養われます。
また、プロからの指導に加えて学生同士の創作が刺激になることもあります。
実際に、今回展示された作品の中には大阪芸短での「クリエイティブ研究」が
生きたものも多くあります。
自分の専攻を越えて作品づくりにチャレンジする
「クリエイティブ研究」は、自分とは違うコースの学びと、
これまでの学びを掛け合わせ、
想像力の幅を広げることで独創的なアイデアを生むカリキュラムです。
学生たちも「これまでより表現の幅が広がった」と、
充実した創作活動の思い出を楽しそうに話していました。
展示された一つひとつの作品からは、そうした「大阪芸短生らしさ」が伝わってきます。
それでは、変化する社会の中でも、純粋に創作に向き合い続けた大阪芸短生たちの集大成を紹介します。
感性豊かな作品に魅了
学長賞や金賞などの優秀作品は、本部棟2階にある展示室に飾られています。
学長賞(最優秀賞)「Kosagari」
作者 グラフィックデザイン・イラストレーションコース グラフィックデザイン専攻 田中桃子さん
人が着なくなった「おさがりの服」をリメイクして、
こけしに着せることで、洋服のリサイクルと、日本の伝統工芸品「こけし」存続の
両立をテーマにした作品。壁いっぱいにあるこけしのリメイク数は、
なんと250点。それ以外にもポスターやストラップなど幅広いグッズが展開されていて、
テーマに沿って多種多様な作品が丁寧に作り込まれていました。
金賞「霧れと褻 -Hare to Ke-」
グラフィックデザイン ・イラストレーションコース グラフィックデザイン専攻 景宇治まゆさん
日常と非日常がコンセプトの景宇治さんの作品は、
アーティスティックで、色彩を巧みに使い分けた高い
デザイン性が高評価のポイントです。日常を意味する「褻(け)」は地元をイメージ。
非日常を意味する「霽れ(はれ)」には、
コロナ禍で大きな打撃を受けた観光業界を明るくしたい、という思いが込められています。
銅賞「仮面の版画」
絵画・版画コース 絵画専攻 吉川達貴さん
こちらは版画作品の中に、絵画の概念を融合させた作品。独特な色彩は、版画を刷るために絵を彫った木板である「版木」に直接色を塗って表現しています。一般的に版木は版画のためのもので、色が塗られることはありません。その既成概念を覆した吉川さんの集中力はとても高く、この大きな版画の作品も「10日程度で完成させた」と話していました。
学科奨励賞「Zufall」
アートサイエンスコース 足立紗彩さん
足元に映された「水面」が、
人の動きに合わせて変化するこの作品は
「水の動きをアートとして表現したい」
という思いで作られました。透明な水の動きは、
白いインクやオイルで表現できるように工夫。
クリエイティブ研究で木工芸を学んだ足立さんは「土台からモーター、
システムまで完全オリジナルです」と語っていました。
コース賞「With」
アートサイエンスコース 小路梨月さん
この作品は、帰省や旅行にさまざまな注意が
必要になった今だからこそ「世界中とのつながり」がテーマ。
傘を持って床の世界地図の国に立つと、その国の天気が傘の中に
現れます。遠い国のリアルな空模様を体験して、
この場所から世界とのつながりを感じられるドラマチックな作品です。
そのほかにも、多くの受賞作品が展示室で飾られていました。
高いクオリティの作品が並ぶ
体育館や学生ラウンジでは全学生の作品を展示。入賞していな い作品もクオリティが高く、見学に来た人たちは、それぞれが気になる展示の前で足を止め、 学生たちの思いが表現されたアートに見入っていました。
学生たちの未来が楽しみになる卒業制作
学生たちの表現は多種多様で、絵や工芸、アニメーションなどから、
優秀作品で紹介したように、「空間」を作品としたものまでありました。
幅広い作品づくりを支えるのは
ハイレベルな指導と最先端の設備。大阪芸短にはTVスタジオや吹きガラス工房、
デザイナーのためのPCルームなど、いくつもの施設が用意されています。
こうした四年制大学に匹敵する充実した環境で学べるからこそ、
より質の高い作品が生まれます。
それに短大という特徴についても、大阪芸短で過ごした学生たちは
「芸術の道に進もうと思ったとき、短大だから無理なく進学できると思った」
「知識や技術がほとんどない状態で入学しても学びやすく、オープンな校風に安心した」
と話していて、大阪芸短の存在が進学や自分の自信につながった様子が見て取れました。
まさにそうした「集大成」が並んだ卒業制作からは、
大阪芸短での楽しかった思い出や、磨いた技術、作品への情熱が伝わってきました。
これからの学生たちの「可能性に満ちた未来」が楽しみです。