座談会
卒業生の本音トーク!
いろんな職場で、いきいきと働く芸短の先輩たち。
どんな仕事をするか、就職先をどう見つけるのか、
どのようにして卒業後の道を歩んでいったのでしょう?
4人の先輩たちに、就職にまつわる実体験について
語り合ってもらいました。
CASE
06
[照明・映像・音響プロデュース]
職種:音響エンジニア
河野 歩実さん
メディア・芸術学科
舞台芸術コース[舞台制作] 卒業
コンサートやイベントなどの照明・映像・音響をトータルプロデュースする会社で、音響エンジニアを務める。
CASE
07
[陶芸工房]
職種:陶工・陶芸インストラクター
中野 明日さん
デザイン美術学科
工芸・立体デザインコース 卒業
四代にわたって茶道具をつくってきた京焼の窯元で陶器を制作。陶芸教室のインストラクターも行っている。
CASE
08
[総合建設業]
職種:事務
福場 菜月さん
デザイン美術学科
絵画・版画コース 卒業
大手ゼネコンのひとつ、大成建設の関西支店に勤務。事務職として、電話応対や書類作成などを担当している。
CASE
09
[声優プロダクション]
職種:声優
鶴野 有紗さん
メディア・芸術学科
声優コース 卒業
青二プロJr.に所属。出演作に海外ドラマ『マリブ・レスキューチーム』ジーナ役、次世代声優育成ゲーム『CUE!』AiRBLUE Wind 日名倉莉子役(写真)など。
「現役の声優として活躍する
先生の演技を見て、
私の夢はこれだ! と」
— そもそも芸短に入学したのはなぜ?
河野
中学生のときに好きなバンドのコンサートへ行くようになって、高校生のときからライブ会場の音響のことが気になりはじめました。あの天井の機材は何かな?とか、音に時差があるな、とか。そして、音響のプロを目指したいと思うようになりました。音響を学べる学校のなかでも、同じ舞台芸術分野の照明や身体表現系の授業もある芸短を選びました。
鶴野
中学では演劇部、高校では放送部に打ち込み、将来は演技に関連した仕事ができたらいいな、と漠然と考えていました。放送部の大会予選が開かれたのがなんと芸短のキャンパスでした。先生に芸短には声優コースがあると教えてもらい、オープンキャンパスへ。現役の声優である先生の演技を目の前で見て、「私もこんなふうになりたい!」と、芸短で声優をめざそうと決めました。
中野
私は美術系に進みたいと思って、いろんな学校を調べました。専門学校よりも一般教養も幅広く学べる大学がいいと思ったのと、親に学費で負担をかけたくなかったので2年の短大にしようと。希望にぴったり合ったのが芸短でした。
鶴野
私も学費は大きな理由でしたね。専門学校も含めて芸術系の学校のなかでも芸短はもともとの学費が安いので、設備面を考えてもお得に学べると思いました。
福場
私はとにかく絵を描きたいと思って、2年間じっくり取り組めそうな芸短を選びました。絵画の教室の雰囲気もとても気に入って、ここで学びたい、と。
「いつでも先生に聞きたい
ことを聞いて、直接指導して
もらえる豊かな時間」
— 芸短で2年間学んだ感想は?
河野
基礎をしっかり学べたことは大きいですね。実際にライブイベントなどのために、プロ仕様の機材を使ってイチから音づくりのトレーニングを繰り返します。たぶん専門学校との大きな違いだと思いますが、芸短では音響を専攻しながらも照明や大道具など舞台制作全般を学べるので、一緒に舞台をつくる他職種のスタッフの視点や動きも理解することができるんです。
鶴野
設備が本当に充実していますよね。声優コースでは、防音の教室のほかに、本格的なラジオ収録ができる音声スタジオや最新機材が揃ったダビングスタジオなどを使います。芸術ホールやテレビスタジオも短大とは思えないスケールで、実際の仕事の現場に近い環境で実践型の授業を受けられるのは、本当に恵まれていると思います。私は学内で劇団を結成していたのですが、申請すれば、稽古に本格的なステージも使わせてもらえました。今考えてみるとすごいことです!
河野
私は軽音楽部で音響機材をガンガン使わせてもらいました。おかげですごくいい音のライブになりました(笑)。
福場
絵画専攻では特別な機材などは必要ありません。ですが、絵画専攻の学生は、一人ひとりにゆったりとした絵画スペースを与えてもらえ、同じ志を持った仲間とじっくりと取り組むことができます。この学習環境は少人数制の芸短だから実現できることだと思います。
中野
工芸・立体デザインコースでの同期は6人でした。短大にはめずらしい吹きガラス工房や本格的な陶芸窯を備えた工房をかなり自由に使わせてもらえたので、みんな授業以外でも自分の作品づくりに打ち込みました。それに、先生ひとりに対して学生の数が少ないので、いつでも聞きたいことを聞けて、丁寧に直接指導してもらえます。ものすごくぜいたくな環境だったとあらためて思います。
「いろんなジャンルで学べる
環境のなかで自分の適性に
気づくことができた」
— 「アットホーム」というのも、芸短の大きな特長のようですね。
中野
私は先生の奥さんの個展でのアルバイトを紹介してもらったり、先生方には本当によくしていただいて、学内外で貴重な勉強の機会をたくさんいただきました。この経験は宝物です。
河野
学科やコースに関係なく、学生同士がみんな顔見知りになります。ジャンルを超えて友達になって、一緒に作品づくりができるのも、アットホームな環境だからこそかもしれません。
— 学びもジャンルを超えて多様ですね。
中野
芸短には美術とデザイン関連のいろんなコースが用意されていて、しかも1年目の前期は専攻コースを決めずにいろいろ試せるというユニークなシステムがあります。私にとって、このお試し期間が本当に役立ちました。はじめはグラフィックデザインに興味があったけれど、実際にやってみて向いていないことがわかったし、逆に工芸系の手仕事がしっくりくることに気づけました。専攻を決められない高校生も多いですよね。ジャンルを超えて学べる芸短の仕組みは、いろんな可能性を広げてくれると思います。
河野
舞台芸術コースは音響や照明などの舞台制作系と、芝居などの身体表現系にわかれていますが、授業は幅広く選択できます。私は、将来イベント制作に携わるなら演者の気持ちも知っていた方がいいと思って、演技やダンスなどの授業も積極的に取りました。頭で考えるよりも実際にやってみる方が理解は圧倒的に深い。新入生にはジャンルを超えて学べる仕組みをどんどん活用してほしいです。
「学びの集大成となった
卒業制作の経験が
今の自信につながっている」
— 今の仕事に決めたポイントは?
福場
絵は一生の趣味として大切なものになったので、仕事は全然違う分野に挑戦したいと思いました。父が建設関連の会社に勤めていたこともあって、親しみのあった建設業界を選びました。勤めている関西支店には芸短の先輩が10人以上いたので、安心感もありました。
鶴野
青二プロが芸短を対象に開催しているオーディションを受けて、青二プロJr.に所属することができました。卒業後、アニメ『ONE PIECE』の現場で、事務所の先輩であり芸短の講師でもあった三田ゆう子先生と一緒になり、「今日は先生と生徒じゃないわよ、仲間よ」と声をかけていただいて胸がいっぱいになりました!
河野
コンサートは音響の会社のなかでも大きなところが担当することが多いと知り、大手に絞って就活しました。内定後に演劇舞台をつくる卒業制作に取り組みましたが、大勢の演者や裏方と連携してひとつの作品をつくり上げたこの経験が、入社してからの自信につながっています。
中野
陶芸の仕事で正社員というのは狭き門です。たまたま募集があり、縁あって入社しました。陶芸教室のインストラクターの仕事がメインですが、私自身も陶芸の技術を磨き続けて、よりよい作品を生み出していきたいです。
— 充実した学生生活を今の仕事につなげていったみなさん、今後の活躍に期待しています。ありがとうございました。