舞台芸術コースの卒業公演「RED JADE」

2021年の舞台芸術コース卒業公演「RED JADE」は、 豊中市立文化芸術センターのアクア文化ホールで開催されました。 学生たちは、感染症対策を徹底した会場で保護者などが観劇する中、 2年間で培った全てを発揮して、熱い演技を披露しました。

ではさっそく、卒業公演やリハーサルの様子をレポートしていきましょう。

学生たちがステージに感染症対策「安心して参加して」

• 

• 会場での準備は感染症対策からスタート。 ステージに立つ演者、舞台裏から公演を支える制作や音響・照明スタッフ、 それに来場者など全員が安心して参加できるように、 手袋を着けた学生たちが透明なパーテーションを設置します。
  
  そうした対策は学生たちの「演者は表情が命なので、 マスクを外して演技する姿がよく見えるように」という思いから、 ステージ全体が自然に見えるように工夫してセッティングされました。

現在も第一線で活躍する各分野のプロが直接指導

• 

• リハーサルが始まると、学生たちは 「来てくれる人が楽しめるように」と、 真剣な表情で練習し、役に入り込みます。 演技中は緊張感のある時間が続きますが、 どの学生もステージの上で躍動していました。
  
  それに、練習や準備があるのは役者だけではありません。 衣装やメイク、小道具も本番と同じもので練習します。 着物はプロの着付け師にフォローしてもらい着付けに挑戦しました。
  
  大阪芸短では、こうした着付けのプロに加えベテラン 俳優や振付師、演出家など、現在も第一線で 活躍する各分野のスペシャリストたちが学生たちを指導し、 質の高い学びの場と舞台を整えて学生たちを支えています。 練習風景からも、学生と教員が一丸となって 最高の作品を生み出そうという情熱が伝わってきました。
  
  そんな、ひたむきに舞台と向き合う姿が印象的なリハーサルでした。

練習を続ける学生たちの姿からは 「舞台を作り上げるのは役者だけではない」と、 改めて実感できました。照明や音響スタッフも、 役者の演技と心を一つにして「その役を自分が演じている気持ち」 で演出しています。

特に音響は繊細な作業が必要です。 今回の舞台ではBGMと声のバランスが難しいとされる 「みんなで歌うシーン」があるため、担当の学生には難しい 調整が求められます。それでも、全員が公演を成功させようと、 全力で取り組んでいました。

その後、練習が終わると公演会場への搬入準備に移ります。 設営から解体まで学生主体で実行するので、一人ひとりが 丁寧に作業を進めていました。

特徴的なキャラクターたちが舞台を駆けるアクション風のストーリー

美しい衣装や演技が印象的なクライマックスのシーン

そして本番当日。メイクやステージ、機材などの最終チェックが終わり、ついに卒業公演の幕が上がります。

「RED JADE」の脚本・演出は、劇作家で女歌舞伎 「劇団 尚」主宰のさとうしょう教授。企画・監修は 長年映画やドラマなどで活躍する実力派俳優である 加納竜教授が担当しています。プロ中のプロと呼べる 教授たちの手掛ける作品に参加できるのも、大阪芸短の魅力です。

物語の主人公は「印泥嬢図（インディー・ジョーンズ）」。 今回の公演は、そんなどこか耳馴染みのあるキャラクターたちによる、 アドベンチャーアクション風のストーリーです。

全身全霊の舞台が観客の心を動かす

「RED JADE」は、迫力のあるダンスや、 笑いあり涙ありのストーリーで、どのシーンも その世界観に引き込まれるような魅力がありました。 クライマックスでは瞳を潤ませる観客の姿もあり、 そんな舞台に立った学生は「練習はたのしかった。 2年間過ごした仲間と公演できてよかった」と、充実した表情で話してくれました。

中には「入学時は演劇に興味がある程度で、 専門的な知識や演技の技術はありませんでした。 それでも一流の教授や、同じ目標を持った仲間に支えてもらい、 最後まで楽しく演技できました」と語る学生も。

総合芸短ならではの広く深い学びがあり、 レベルの高い環境でしっかり経験を積めるからこそ、 初心者や未経験者でもここまでクオリティの高い作品づくりが できるのだと思います。

今回の卒業公演も、そんな大阪芸短での学びや思いが全て 込められた最高の舞台になりました。